引っ込み思案な性格だった上に外見を気味悪がられて友人ができず、人形を友人としていた少年時代を送り、
　成人してからも人との関わりを意図的に避けて、人形作りにのめり込むようになった。
　しかし、人形に人間らしい要素を求めるようになり、人間らしい動作をする人間ではない物を参考にしようと、死霊術じみた魔術に手を染める。
　魔術・人形の研究として人間を必要とし、人攫いなどの悪事を行うようになって、ついにお尋ね者に。
　研究室に乗り込まれる数秒前に、慌てて転移魔術を作動させて、こちらにやってきた。

　だが、飛ばされた先は魔境で、凶暴化したモノノケに攻撃される。
　強力な魔法を使う触媒も、自分を護衛する人形も、何もかも元いた世界に置き去りにしていたことに気付いても後の祭り。
　どう足掻いても絶望的な状況で己の死を覚悟した時、魔境の探索中だったカミガカリによって助けられた。
　助けられた事に素直に感謝しつつも、どうしてこんな気味の悪い外見をした自分を助けたのか。
　そう疑問に思って訪ねるが、カミガカリから返ってきた言葉は非常に単純だった。
　"誰かを助けるのに、理由がいるのか"、と。
　その言葉は、今まで他人を避け続け、人形との世界に閉じこもっていた青年にある想いを抱かせた。
　――彼らのために何かがしたい、彼らの力となりたい。そんな、感謝にも似た、恩義を。

　しかし、己の外見は未だにコンプレックスであり、普段は人形のような外見で過ごす事を好む。
　MMOをしている理由も「自分の好きな姿を作れるから」である。なおロリしか作らない模様。
　決して幼女趣味だとかそういった趣味があるわけではない。ただ、ニポンのフィギュア文化、マジヤバイって思ったのは確かである。